第2部自身の取り組みを社内に広げるには?
そして組織はどう変わったか?
始めは個人で始めたマインドフルネス実践から、社内に広めることに成功した3名の方による事例発表。
社内に広めるための工夫や苦労、その結果をデータ化しエビデンスとするなど、取り組みの進化ぶりを紹介する。
リーダーが変われば組織も変わる 物流会社代表取締役社長

牛山 啓二 氏物流会社代表取締役社長
(従業員300名、グループ 600名)
2017年 MBCC、
マンスリーMiLI参加
みなさんこんにちは。私は、従業員数が単体で約300名、グループで約600名の物流企業の社長です。私が社長に就任したのは、2013年のことです。社長たるもの24時間稼働していなければならないと思い、情報を持つものが世界を制するという考えのもと、常にスマホやPCをチェックし続け、休暇中も通知機能をオンにし、未読メッセージを見つけては即時に対応していました。
自宅に帰っても、仕事のことがぐるぐる頭を回り、ソファーでTVを見てもまったく休まらず眠れません。夜のメールは、つい感情的になってしまうのに、やめられませんでした。
当時の私は「自分が正しい」「相手が悪い」「自分だけが仕事をしていて、人はなぜついてきてくれないのか」と考えてはイライラしていました。
そのころ私は、方向性を示す一方、細々としたことにもいちいち指示を出していました。口ではみなさんどうですか?と聞くけれど、自分がやりたいことが決まっていると部下もわかっているので私の顔色ばかり見るようになっていました。これでは新しい発想は生まれて来ません。自分の発想が100としたら、それを部下が受け入れてやろうとしても70くらいにしかならないのです。私のイライラは募る一方で、組織は思ったほどには伸びていかない悪循環でした。
私の心の中には、過去のこと、未来のことが詰まっていました。今日あの人があんなことを言った、その人の言っていることは自分の価値観とは違う、だから明日はこうしてやろう、こう言ってやろう、という具合です。おそらく過緊張になっていたのでしょう、夜の寝つきも悪く、一回寝ても夜中に何回も起きてしまう、そんな毎日を過ごしていました。こんなことでは、ウツになるか、早死にするかだ、と気づいたのは社長就任から3年くらい経ったころでしょうか。
そこで生活全般を見直しました。睡眠7時間を確保するため、寝る1時間前には、風呂やシャワーで体を温め、寝る前にはTVやスマホは見ず本を読むようにしました。スマホの通知機能はもちろんオフにしておきます。さらに食事に気を使い、運動を心がけることで、次第に気持ちが穏やかになっていくのを感じました。

そんな時に参加したのが、MiLIのMBCC(マインドフルネス・ベースド・コーチ・キャンプ)です。ここでマインドフルネスと、コーチングの仕方を体系的に学び、「今ここに心を集中させる」ことを心がけるようになりました。始業5分前の集中瞑想に始まり、レジ待ちや信号待ちなどの機会をとらえては瞑想をして、歩く時も食べる時も、
シャワーを浴びる時もマインドフルに過ごすようにしたんです。すると、感情をコントロールができるようになり、自然と好奇心ややる気が湧いてくるようになりました。コーチングを学んだ結果、仕事で大きく変わったのは、傾聴ができるようになったことです。また聴くことだけに集中することが、これまではできていませんでした。人の話を聞いていても「それは違うだろう」「もっと別のやり方はないのか」などと絶えず、評価や判断を加えていたのです。でも傾聴するようになると、相手にもそれが伝わるのか自分が理解されたと感じるようで、人間関係が大きく変わりました。今日何度も出てきましたが「メタ認知」についても理解し、怒っていても自分を客観視できるようになって、なんでこんなに怒っているのかと考えるようになったんです。すると、自分の「べき」に外れているからだな、と気づきます。自分とは異なる他人の価値観を受け入れられるようになり、対人関係でのイライラが圧倒的に減りました。
当然、社内にも変化が生まれました。リーダーである私が傾聴できるようになったことで、活発な意見が出るようになり、組織に相乗効果が生まれるようになりました。これまでは私の意見を100としたら、自分の意見を部下に押し付けた結果、パフォーマンスは70くらい。ところが今は組織に相乗効果によって200にも300にもなっています。
今、私はリーダーが変わると、確実に組織は変革することを実感しています。当社では、職場にもマインドフルネスを取り入れるようになりました。それによってさらなる相乗効果が期待できると思います。企業や組織がよくなれば、そこにいる人間も周囲の人間も幸福になれます。それがやがて世界平和へと繋がっていくのではないでしょうか。

粘り強い交渉で全社に
マインドフルネスが浸透 パナソニック液晶ディスプレイ株式会社
-

村社 智弘氏
パナソニック液晶ディスプレイ株式会社
先行開発部 高機能パネル開発課
2017年SIY、JOYオンデマンド
2018年MBCC参加 -

MiLI理事
吉田 典生
聞き手

村社 智弘 氏パナソニック液晶ディスプレイ株式会社
先行開発部 高機能パネル開発課
2017年SIY、JOYオンデマンド
2018年MBCC参加

MiLI理事吉田 典生聞き手
- 吉田:
- 村社さんは、技術者として開発に携わった製品がグッドデザイン賞を受賞する一方で、マインドフル
ネスのエバンジェリストとして活動を続けています。これまでの経過をお話しいただけますか。 - 村社氏(以下敬称略):
- 私のマインドフルネス歴を、自身の変化、組織が変わる、実践が日常という3つの
側面に分けてお伝えしようと思います。
自身の変化
瞑想の習慣化からGood Design賞へ
- 村社:
- 小学生の二人の子どもとともに取り組んだところ、明らかに集中力の高まりを実感し、私自身も会社で朝の瞑想実践をするようになりました。2017年には、私がデザイナーとともに開発に携わった開発品が2017年Good Design特別賞「未来づくり」に選ばれました。創造性と、コミュニケーションの高まりの結果だと思います。

組織の変化
1344回、累計157時間の実績へ
- 村社:
-
社内部署を説得、2016年後半に、自部署の開発者全員にセミナー受講を実現、以来瞑想5分、ジャーナリング3分の朝のトレーニング(朝トレ)を開始。追って昼トレとして、瞑想20分も開始しました。しだいに実践する仲間が増え、実践が日常となりました。
これまで社内でトレーニングした回数は1344回、累計157時間。
(2018年11月現在1548回、累計170時間を越える)
特別なスペースではなく、会議室にざぶとんを置いたり、休憩室にスペースを作ったりしました。次のようなエビデンスも集め、さらなる展開に活用していきます。
- ・集中力の高まり
- メディテーション(5分)の
相対評価(1-10の自己評価)
実践者+1.9ポイント 未実践者+0.8ポイント - ・仲間との実践で心拍数がより下がる
- 1人で実践 96(BPM)
仲間と実践 76(BPM) - ・社内の認知度の向上
- 2016年7月 7% 2018年7月 74%
毎日職場でマインドフルネスを実践したその成果は、「自分が変わる」、「仲間が変わる」、「組織が変わる」、この3つの変化です。これからも、日常として、仲間とともに実践し、さらに展開していきたいです。
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